私たちの水源の森は今・・・
私たちの水源の森である長野県木曽郡の森林面積は、15万8000ヘクタールで、そのうち6万ヘクタールを民有林が占めています。そして、民有林のうち半分の3万ヘクタールが、スギやヒノキなどの針葉樹を植林した人工林が占めています。
ところが、近年、海外からの安い材木の輸入により、国内のスギ・ヒノキの価格が暴落したため林業は衰退し、森林整備の遅れによる山の荒廃、保水能力の低下などの問題が生じており、水源地環境の将来に大きな不安を残しています。
森林が持つ機能について
森林には、雨水を地中に貯めることによって洪水や渇水をやわらげたり、水質をきれいにする機能があると言われています。また、森林があるとダムに流入する土砂の量を抑えることもできます。しかし、森林のうち人工林、特に間伐などの手入れをされず放置された森林では、これらの森林が持つ機能は低下してしまいます。
間伐などの手入れがしっかり行なわれている人工林は、林の中が明るく、地面には草が生えていて、落ち葉が溜まっているので、雨が直接土にあたることはありません。このため、スポンジのように水を吸い込みやすいつくりになっていて土の表面が守られ、降ってくる雨のほとんどを地中にしみこませることができます。
間伐されていない人工林では、樹木が密生して育つため、林の中は暗く地面に光りが届きません。そのため、地面に草は育たず、落ち葉ややわらかな土もありません。右の写真のように地肌がむき出しになって、まるで砂漠のような地面が森林のなかに広がっています。このようなところで雨が降ると、水滴が落ちた場所で土がくぼみ、土が目づまりを起こして、雨水が地中にしみこみにくくなります。
放置された人工林において地中にしみこむことができない雨水は地表を流れ、土砂と共に直接川へと流れ去ってしまいます。そのため、大雨の時に川の流量が増え、洪水と共にダムへの堆砂が起こる可能性があります。また、地下へしみこむ水の量が減ってしまうため、保水能力が低下して川の流量が晴天が続くとすぐに減ってしまうことが予想されます。これらのことから、私たちの水源の森を守るためには、間伐などの森林管理を計画的に行なっていくことが重要だと考えられます。
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